新型コロナウイルスの感染拡大を受け、山梨県の長崎幸太郎知事は6日、臨時記者会見を開き、県民に対し22日まで不要不急の外出や移動の自粛などを求める臨時特別協力要請を発表した。イベントについても可能な限り延期するよう促した。【梅田啓祐】
臨時要請は17日間で新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく短期集中的な措置。デルタ株の広がりを受け、家庭内でのマスク着用や感染対策が徹底されていない飲食店などの利用を控えるよう求め、事業者や団体に向けてはテレワークや時差出勤など人との接触を減らす取り組みを促した。
さらにお盆休みなどの人流増加を想定し、県外からの観光客向けにレジャーなどの目的で来県しないよう要請。帰省についても「慎重な判断」を求めた。療養体制に関しては、病院か宿泊施設での施設療養・加療を堅持する方針で、病床や宿泊療養施設の部屋数の増強を図る。
県内では直近1週間(7月30日~8月5日)の新規感染者が過去最多の313人に急増。人口10万人当たり38・6人、病床使用率52・8%と、国の分科会指標の「ステージ4(爆発的な感染拡大)」に相当する。県推計では6日時点で医療機関が確保する重症者用を除いた残病床数は102床で、今後1日当たり70人の感染者が出れば13日には満床となるという。
会見で長崎知事は「これまで通りの感染制御の効いた社会生活と感染者の療養体制が維持できるかどうかの、過去にない切迫した状況」と表現。感染拡大防止への協力を呼び掛けた。