キャラクター商品販売のサン宝石(山梨県中央市)が民事再生法の適用を申請し、甲府地裁から保全命令を受けた。申請と保全命令は27日付。負債総額は約21億7000万円。営業を続けており、現在、支援してくれるスポンサー企業を募っている。一部企業へ打診を始めているという。
帝国データバンク甲府支店などによると、サン宝石は1965年に創業。独自キャラクターの「ほっぺちゃん」が人気で、子ども向けのアクセサリーや雑貨、文具などで2013年9月期の売り上げは約42億6400万円だった。
全国に直営店「ファンシーポケット」をピーク時で44店舗展開していたが、キャラクター人気の陰りや100円ショップなどとの競合で売り上げが低迷して多くを閉鎖し、19年9月期の売り上げは約8億1600万円まで減っていたという。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの催事が中止となり、20年9月期の売り上げは約4億9100万円に落ち込み、ここ3年間の赤字は約10億円となっていたという。
サン宝石が民事再生法の適用を申請したことを受け、山梨中央銀行は30日、貸出金などの債権18億4100万円について、取り立て不能か遅延の恐れが生じたと発表した。必要額を引き当て済みで、業績予想に変更はないという。