SNS(ネット交流サービス)で広告を見て、1回限りのつもりで購入したが、何度も商品が届く。断りたいのに電話がつながらない――。山梨県の県民生活センターが公表した2022年度の相談状況によると、こうした「定期購入」を巡る相談が大きく増え、特に高齢者で目立つことが明らかになった。
それによると、昨年度の消費生活相談は3849件(前年度比10・2%増)。契約当事者の年齢は、70歳以上が798件で最も多かった。
定期購入に関する相談は数年前から増加傾向にあったが、21年度の229件から、昨年度は413件(同80・4%増)と大きく増え、特に70歳以上は96件(同104・3%増)と2倍以上増えた。商品は化粧品が7割近くを占め、次いで健康食品が多い。SNSが多いことも特徴という。
「定期購入」は1回の注文で複数月分の商品が定期的に届く仕組みだが、「複数の月を試さないと効果がない」「おまとめコースの方が価格が安くなる」と説得されることで、複数月分がまとめて1回限り届くものと思い込んでしまう。こうした状況を受け、定期購入と意図せず注文した、などの相談が全国で増え、国民生活センターが注意喚起している。
県民生活センターによると、広告に、定期購入であることを示す表示があっても、文字が小さく見落とすケースのほか、初回のみ低価格で2回目以降に高額となり、断ろうとしたが事業者の電話がつながらないという場合もある。「通信販売は契約行為なので、説明を十分確認し、注文の前によく検討を。要らないと思ったら、はっきりと断って」と呼びかけている。【大和田香織】