【山梨】新型コロナウイルス感染者の急増を受け、長崎幸太郎知事は20日、患者や家族が同意した場合は、療養場所を病院や宿泊療養施設から患者の自宅に変更する運用を24日に始めると発表した。県はこれまで、すべての感染者を病院と宿泊療養施設に入れることを原則としていたが、感染拡大で方針転換を迫られた。
県によると、305床確保している病床の使用率は19日時点で70%、536室確保している宿泊療養施設の使用率も約80%に達した。長崎知事は「県内の医療資源は枯渇の瀬戸際にある」と語った。
県は病床が埋まってしまう事態に備え、宿泊療養施設にも医師を常駐させ、点滴や酸素吸入も行えるようにする。症状が治まり、重症化リスクが低いと判断された患者については、本人や家族の同意を前提に、療養場所を自宅に移す。
その後も発症から10日間とされる退院基準を満たすまでは外出できないので、生活物資の供給やパルスオキシメーターの貸し出しを行い、療養生活を支援するとしている。
また、感染した妊婦が入院できず、自宅で出産した新生児が死亡した事例が千葉県で発生したことを受け、妊婦へのワクチン接種を積極的に進める方針も発表した。医師らと協力して体制整備を進める。(吉沢龍彦)