山梨県最大級の祭り「信玄公祭り」の開催費が2022年度に初めて1億円を超えた。主催する実行委員会が7日に甲府市内で開いた総会で収支決算を報告した。50回目となる23年度は10月27〜29日開催で1億500万円の予算案を示したが、市町村や企業の負担金引き上げに異論が出て予算案については引き続き検討することになった。
信玄公祭りは春のイベントだったが、22年度(第49回)は感染症の影響で初めて秋開催となり、10月28〜30日の3日間で過去最多の17万8000人が来場した。決算報告によると開催費は1億422万円で、前回19年度に比べて1307万円(14%)増えて過去最高となった。感染症対策費が積み上がり、県の補助金4582万円で収入の44%をまかなった。
23年度予算案には感染症対策費は含まれず、物価や人件費の高騰を理由に22年度並みの1億500万円を計上。事務局は武者行列に参加する自治体や企業の負担金を25%程度(1団体あたり30万〜35万円程度)引き上げて収入を増やす案を提示したが、委員メンバーからは「増額で参加は厳しい」(山梨県富士吉田市)、「追加の予算措置が必要」(甲府市)などの意見が相次ぎ、承認は見送られた。
開催時期については実行委副会長の仲田道弘やまなし観光推進機構理事長が「秋は天候も安定し、集客しやすい。当面は秋開催を続け、課題があれば春か秋かを再検討する」との考えを示した。
第50回の節目となる23年度は、12年度に樹立した武者行列のギネス世界記録の更新に挑戦する方針。また信玄公祭りを、同時に開催するハロウィーン仮装パレードやグルメフェスなどとの集合体と位置づけて祭りの魅力を高め、国内だけでなく海外からの集客にも取り組むとしている。