都留市鹿留の農業浅田一男さん(42)が、同所の畑で赤いスイートコーン「大和(やまと)ルージュ」の栽培に取り組んでいる。浅田さんは「目を引く色で味もおいしい。魅力を広めていきたい」と意気込んでいる。 大和ルージュは、奈良県天理市の種苗会社・大和農園が開発。同社によると、実だけでなく、芯やひげまで赤いのが特徴。従来品種より抗酸化力とアントシアニンが豊富に含まれているという。9月時点で日本種苗協会品種名鑑に赤いスイートコーンの登録はなく、開発は日本初という。 ゆでると色や成分が溶け出すので、電子レンジを使うか蒸したり焼いたりすることを勧めている。炊き込みご飯やスープにしても赤色を楽しめるという。浅田さんは「サツマイモのような優しい甘さと、モチモチとした食感が楽しめる」と説明する。 浅田さんは県内のバス運行会社に勤務していたが昨年、脚をけがして仕事を続けるのが難しくなり、退社。リハビリを兼ね、畑を借りて新規就農した。 大和農園は試験栽培の目的で、全国約100軒の農家に種子を提供。県内では浅田さんと富士河口湖町の農家が、種子を譲り受けた。浅田さんは7月下旬から種植えを始め、現在は収穫時期を迎えている。10月下旬までの収穫量は約250本を見込む。 来シーズンには観光客や地元住民に向けた収穫体験も考えている。浅田さんは「多くの人に味わってもらえればうれしい」と話している。
赤いコーン味わって(山梨日日新聞)