城下町の秋を彩る山梨県都留市の「第38回ふるさと時代祭り」(実行委員会主催)が4日、中心市街地で開かれた。江戸時代から続く10万石格式の大名行列や、江戸の浮世絵師が飾り幕の下絵を描いたとされる豪華な屋台3台が3年ぶりに繰り出した。
大名行列はこの地を3代71年間治めた秋元氏が1704年に川越(埼玉県)に転封になった際、下天神町に行列道具一式を贈ったのが起源とされる。町内には「大名行列発祥之地」の石碑も建つ。足軽から行列の手ほどきを受けた農民が、秋元藩政に感謝し、10万石格式の行列に仕立て上げたという。
例年、大名行列と屋台巡行は生出(おいで)神社の例祭に合わせて1日に開かれていた。今年の大名行列の参加は80人を超え、馬に乗った殿様を中心に、お姫様と腰元、侍、鷹匠(たかじょう)などにふんした小中学生らが「下にぃ~、下にぃ~」の掛け声を出し、ゆったりと約3時間練り歩いた。
前夜の宵祭りから巡行している仲町、新町、早馬町の3台の屋台も、おはやしと共に練り歩き、城下町の名残を残す大手通りではにぎやかに競演。「富士のふもとの小さな城下町」は久しぶりの祭りムードに包まれた。【小田切敏雄】