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2021/12/24 ,

下吉田駅に流れる「若者のすべて」 志村正彦さん、24日命日

下吉田駅に流れる「若者のすべて」 志村正彦さん、24日命日

 山梨県富士吉田市出身で、ロックバンド「フジファブリック」のボーカルなどを担当し、2009年12月24日に29歳で早世した志村正彦さんが手掛けた「若者のすべて」と「茜色の夕日」の2曲が22日から、富士急行線下吉田駅(富士吉田市)のホームで、電車の接近を伝える音楽として流れている。命日を前に全国各地からファンらが駅を訪れ、志村さんをしのんでいる。
 バンドは志村さんらが地元の仲間と結成し、志村さんはギターや作詞、作曲も手掛けた。下吉田駅は生家に近く、駅周辺は楽曲創作の源泉となったエリアだ。駅ホームでの曲の活用は市立下吉田中学校の同級生で富士急行事業部に勤務する渡辺千春さん(41)が発案。志村さんの活動を伝え続けている同級生や会社とも話し合いプロジェクトを推進した。志村さんの曲には「さりげないやさしさがあって、前向きになれる」と渡辺さんは話す。バンドの元ベース担当で神職の渡辺平蔵さん(41)は「仲間に対しても誠実でストイックに物事に打ち込む人だった」と振り返る。
 22日に下吉田駅であったセレモニーでは、志村さんの事績やホームで流れる曲の歌詞を紹介するパネルが披露された。列車接近のアナウンスの後に、河口湖方面行きは「若者のすべて」、大月方面行きは「茜色の夕日」が約40秒間、志村さんの歌声とともに流れる。また二つの曲の歌詞にある「花火」「夕日」をデザインしたヘッドマークを付けた普通列車を、22年1月10日まで運行している。
 「若者のすべて」は来年度の高校用の音楽教科書に「時代を彩る歌唱教材」として使われる。志村さんの母校・県立吉田高校ではこの夏、合唱曲に編曲された「若者のすべて」を音楽部員が学園祭などで披露。顧問の徳満裕樹教諭(34)は「多くの生徒、若い人に志村さんの名作を知ってほしい。教科書に掲載されることで、また志村さんを通じていろんな人や地域がつながる」と話す。【小田切敏雄】

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