クラフトビール最大手「ヤッホーブルーイング」(本社・長野県軽井沢町)は9日、山梨・長野両県限定の新ビール「山の上ニューイ」を発売した。同社が拠点を置く東信地区と接する北杜市で生産された両県発祥のホップを使用するほか、地元企業ともコラボするなど製品を通じて地元の盛り上げを狙う。【鈴木英世】
山の上ニューイは爽やかな香りが特徴で、両県のセブン―イレブンと、ヤッホーの公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」(東京都内に8店)で販売。1月下旬からはヤッホーの公式通販サイト「よなよなの里」で購入できる。350ミリリットル缶293円。
原材料のホップは「北杜ホップス」(北杜市)が生産する、長野発祥でレモンに近い香りが特徴の「信州早生(わせ)」と、山梨発祥でオレンジのような香りがある「かいこがね」などを使用した。
ホップの繊細な香りを生かそうと、水蒸気を使って成分を抽出する「エッセンシャルホッピング製法」を採用した。今年春から開発を担当した片岡紗羅さんは「繊細な香りを引き出すことができた」と話した。
缶のデザインは、上半身がカモシカ、下半身がライチョウをイメージしたキャラクター「ニューイ」が両県にまたがる山の上から人々を見守るような絵柄だ。おつまみを食べる時にお皿代わりに使ってもらおうと木を紙のように薄く削った経木を、家具作りなどに取り組む「やまとわ」(長野県伊那市)と共同制作。セブン―イレブンで3缶買った人に先着順でプレゼントする。
セブン―イレブン・ジャパンも連携して「このビールに合うように」と信州みそや安曇野産山ワサビソースを使ったおつまみを発売した。ヤッホーブルーイングの井手直行社長は「(新商品を通じて)地域の魅力を生かし、活性化につなげていきたい」と話した。