1万人と乾杯することを目指し、カクテルの材料などをリヤカーに積んで日本一周をしている縄吉諒也さん(31)=山口市出身=が、甲府市を訪れている。「旅する立ち飲み屋」を自称し、全国各地で酒を振る舞いながら旅を続けている。山梨県は最後の訪問地で、12月上旬まで、JR甲府駅南口周辺などで酒を振る舞う予定だ。縄吉さんは「多くの人の支えでここまで旅を続けることができた。山梨でもたくさんの人との出会いを楽しみたい」と話している。 大学生の時、「日本と違う文化を知りたい」と、バックパッカーでアジアや南米を訪れて以来、旅好きになった。就職したものの、長期の旅行に行けないことなどから、2017年2月に退職した。 酒が好きだったこともあり、旅行と酒を一緒に楽しむ方法として、酒の材料を積んだリヤカーをミニバイクで引いて旅をするスタイルを考案。3カ月ほどバーで働き、カクテルの作り方などを学んだ後、17年5月に東京・高円寺からスタートした。 全国各地の公園や駅前などでリヤカーを使った”バー”をオープン。販売するのではなく、訪れた人にカクテルなどを振る舞い、一期一会の出会いと会話を楽しむ。 出会った人たちからのカンパを旅の資金に充て、その土地の日本酒やワインを購入し、次に訪れる県で提供したこともあるという。一つの道府県には1カ月ほどを目安に滞在する。当初は5千人を目標としていたが、19年10月ごろに達成。目標を1万人に再設定して旅を続けている。 山梨県には11月23日、長野県から入った。11月26日には午後9時すぎから、甲府駅南口で”バー”を開店。「日本一周しながら、バーを開いています。一杯飲んで行きませんか」と通行人らに声を掛け、酒を振る舞った。縄吉さんは訪れた人たちと「みんなは何してるの?」「これは長野のお酒。飲んでみる?」などと会話しながら、出会いを楽しんでいた。 次に向かうのはゴールの東京・高円寺で、旅は最終盤に差し掛かっている。縄吉さんは「今はさみしさと楽しさが半々。ゴールしたら、これまでにお世話になった人にお礼を伝える旅に出掛けたい」と話している。 縄吉さんの”バー”については、インスタグラムなどで情報を発信している。
「1万人と乾杯」へ日本一周 旅する立ち飲み屋 甲府に(山梨日日新聞)