南アルプス市の有料老人ホームに入所していた女性が殺害された事件は13日で発覚から1週間を迎える。逮捕された介護士の男ははじめ、業務のストレスを口にしていたがその後、黙秘に転じ、県警は殺害に至ったいきさつを慎重に捜査している。有料老人ホームに入所する樋口慶子さんを夜勤中に殺害したとして逮捕されたのは市川三郷町上野の介護士丹沢一貴容疑者(42)だ。捜査関係者によると、丹沢容疑者は当初、「排泄介助の際に言うことを聞いてくれずカッとなった。ストレスがたまっていた」などと供述していた。しかし、その後樋口さんへの日頃の不満を口にするようになり、現在は事件について話さないという。また、殺意についても当初のあいまいな供述から「首をつかんだだけ」などと否認に転じた。解剖の結果、樋口さんは首の骨が折れ長時間、強い力で首を絞められたとみられ供述と矛盾が生じているという。県警幹部の一人は「保身のための言いがかりのような供述を始め、何が真実か分からなくなっている」と話している。丹沢容疑者は事件前、「一人夜勤がつらい」と周囲に漏らしていたが、捜査関係者によると、施設側は働かせ方に問題はなかったと説明しているという。丹沢容疑者は介護の職場を転々としていて、警察は過去に問題がなかったかも調べている。
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