山梨県内の各地で19日夜、部分月食が観測された。今回の部分月食は月の直径の97・8%が地球の影に入る「ほぼ皆既」の月食。甲府市内では観望会が開かれ、訪れた家族連れらが神秘的な光景に見入っていた。 JR甲府駅北口よっちゃばれ広場では、一般社団法人「星つむぎの村」(北杜市)が観望会を開催。徐々に欠けていく月の姿を肉眼でも確認すると、子どもたちの歓声が上がった。午後6時2分ごろに食の最大を迎え、多くの人が天体望遠鏡や双眼鏡で月を観察したり、スマートフォンで撮影したりしていた。 家族3人で参加した甲府・相生南幼稚園年長の今福一葉ちゃん(6)は「赤茶色で欠けている月が見えた。不思議だった」と感想。同法人の跡部浩一さんは「子どもたちの好奇心や学びを支える機会になれば」と話していた。 一方、南部町の佐野峠付近からは富士山から昇る部分月食が見られた。数人の写真愛好家らがカメラを向け、盛んにシャッターを切っていた。岐阜県から訪れた男性(63)は「薄雲が掛かることもあったが、月の輪郭がはっきり見え、撮影もできて満足している」と話した。本栖湖畔からも薄い雲の向こう側に月が欠けていく様子が見えた。 次回の月食は2022年11月8日の皆既月食。
「ほぼ皆既」親子歓声山梨日日新聞)