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2021/11/04

武田信玄生誕500年 ファンらが思いをはせる集い 山梨

武田信玄生誕500年 ファンらが思いをはせる集い 山梨

 山梨県ゆかりの戦国武将、武田信玄(1521~1573年)の生誕500年の節目を迎えた3日、甲府市で記念の大法要やシンポジウムが開かれた。県内外から戦国時代ファンや、信玄を敬う人々が集い、郷土の英雄の功績に思いをはせた。【梅田啓祐】
 信玄によって創建された名刹(めいさつ)、甲斐善光寺(甲府市)では「信玄公生誕500年祭大法要」が営まれた。甲府商工会議所が企画し、宗派を超えた10寺院の住職らが読経する中、参列者約90人が焼香し、信玄の遺徳をしのんだ。
 甲斐善光寺は信玄が宿敵の上杉謙信と戦った「川中島の合戦」の際、信州善光寺(長野市)が焼失することを危惧し、1558(永禄元)年に本尊や寺宝などを移したことに由来する。法要では「善光寺式阿弥陀(あみだ)三尊像」が特別にお目見えし、金堂は厳かな雰囲気に包まれた。
 来賓の長崎幸太郎知事は「信玄公ほど郷土の人々に愛され、敬われている武将はいない。県民の生活を第一に考え、全身全霊で県政運営に当たる決意を新たにした」とあいさつ。信玄から数えて17代目の甲斐武田家当主、英信さん(46)は「信玄公をはじめ、祖先が残された縁が今まで続いていることはうれしく、大変ありがたいことだ」と感謝した。
 YCC県民文化ホールでは「武田信玄研究の最前線~最強戦士夢の競演~」と題したシンポジウムが開かれた。城郭考古学や武田家研究の専門家ら4人が、研究成果を交えて武田家の魅力を紹介。オンライン視聴者を含め約400人が耳を傾け、会場ではそれぞれの話を懸命にメモする参加者の姿もあった。
 登壇したのは、千田嘉博・奈良大教授▽平山優・県立中央高教諭▽黒田基樹・駿河台大教授▽丸島和洋・東京都市大准教授で、城郭史や戦国時代史研究の第一人者として知られる。
 千田氏は武田家の城作りの特徴として、敵の襲来に備えて堤防状の盛り土で囲んだ「馬出(うまだし)」と呼ばれる区画を挙げ、「徳川家康も取り入れて防衛拠点に生かした」と説明した。
 平山氏は「信玄の外交と合戦」をテーマに「信玄の合戦は同盟違反や他勢力による領域簒奪(さんだつ)などがきっかけ」と説明。戦闘は5回が通説の「川中島の合戦」に、「6回目があった」とする考え方を示した。
 黒田氏は「武田信玄の妻たち」と題し、信玄の正妻、三条夫人に着目。跡継ぎ問題などに関して、家中で大きな発言力を持っていた可能性を指摘した。
 また丸島氏は新たに発見した書状を通して信玄と家康の関係を分析。「信玄と言っても外交関係は必ずしも思い通りにいかなかった。家康は最初からタヌキだった」と話した。

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