戦国武将・武田信玄の父で、甲斐を統一した信虎の晩年を描いた映画「信虎」が全国に先駆けて、TOHOシネマズ甲府(山梨県昭和町飯喰)で先行公開されている。初日の22日は、信虎役で主演の寺田農さんらが舞台あいさつに立った。
映画では、信玄によって駿河に追放された後に京で足利将軍の奉公衆として仕えた信虎が信玄の死後、甲斐に帰り、再び武田家当主として復権しようと知略を尽くす姿が描かれている。
歴史考証は「武田氏滅亡」(角川選書)などの著書がある武田氏研究の第一人者、平山優さんが担当。また、古田織部美術館館長で共同監督の宮下玄覇(はるまさ)さんが脚本や美術を手掛け、武士の髷(まげ)や甲冑(かっちゅう)、刀が交わる音の細部にまでこだわって当時の様子を再現したという。
寺田さんは「信虎、信玄、勝頼は全国制覇を達成できなかったが、もう一度この映画で甲府を全国にアピールしたい」と意気込みを語った。また、いずれも山梨出身の柏原収史さん、左伴彩佳さん、保坂直希さん、青山金太郎さんも登場し、地元での思い出などを語った。
映画は11月12日からはシネマズ甲府を含む全国47カ所で公開される。【金寿英】