山梨県南アルプス市の老人ホームで、入所する女性が殺害された事件は介護業務の負担が背景となった見方が強まっている。県内の老人ホーム関係者から「事件を防ぐためには労働環境の改善が必要」という声が上がっている。市川三郷町の介護士丹沢一貴容疑者(42)は勤務先の有料老人ホームで、入所する樋口慶子さん(80)を殺害した疑いが持たれている。丹沢容疑者は事件当時、1人で施設に入所する10数人の介護業務に当たっていた。捜査関係者によると、丹沢容疑者は「排泄介助の際に言うことを聞いてもらえずカッとなり首を絞めた」と供述している。一方、丹沢容疑者は周囲に「一人での夜勤がつらい」と話しているほか、警察の調べに「日頃からストレスがたまっていた」と供述しているという。県内の同様の施設からは「入所者に危害を加えることはあってはならいない」とする一方、「人手不足のため、夜間1人で業務にあたることが一般的でどこもスタッフに負担がかかっている」という指摘が聞かれた。警察は介護業務の負担が背景にあるとみて捜査している。
元記事を読む