山梨大と国立科学博物館などの研究チームは、群馬県上野村と埼玉県秩父市で発見されていたヒグマ2頭の化石から、DNAの抽出に初めて成功したと明らかにした。研究チームによると、古代DNA分析の手法を用いた結果、ユーラシア大陸北部から極東サハリン、北海道を経て、約14万年前に本州に到達した未知の系統の集団が存在したことが明らかになった。
現在、ヒグマは北海道だけに生息している。2万年前まで本州全域にいたことが分かっているが、「いつどこから来たのか、どの系統に属するのか」は不明だった。山梨大の瀬川高弘講師(環境生物学)は「残っていたヒグマのDNAが非常に少なく、大変な実験。日本では最古の試料からの遺伝子解析」とする。