東京パラリンピックの警備で東京都内に派遣されていた山梨県警の複数の警察官が宿舎で飲酒後に外出し、一般市民とトラブルを起こした問題で、県警の大窪雅彦本部長は30日の定例記者会見で「県民の信頼を損なったことをおわび申し上げる」と謝罪した。
大窪本部長は県警の派遣部隊全員が、任務途中で警視庁から帰任を命じられたことについて「県警の指揮統制管理に疑念が持たれ、任務を継続させることが適当でないという判断に至った」との認識を示した。「現場の指揮官だった小隊長が規律違反行為を主導した。責任者である部隊長も指導管理ができていなかった」と問題点を指摘し、今後の部隊派遣については「今回のことを重い教訓として万全の活動ができるように準備を重ねたい」と述べた。
県警によると、派遣された警察官らが8月28日、内規に反して宿舎で飲酒した後に外出して性風俗店を利用し、帰り道で一般人と口論になった。9月17日に、飲酒や外出を主導したとして現場指揮官の30代男性警部補と、飲酒を事前に容認したとして部隊長の40代男性警部ら3人を、減給1月(10分の1)の懲戒処分にした。【田中綾乃】