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2021/09/24

校歌からふるさと知る 32校収録し一冊に 山梨・大月の研究会

校歌からふるさと知る 32校収録し一冊に 山梨・大月の研究会

 山梨県大月市郷土研究会(藤本政一会長)は市内の小・中学校などの校歌を集めた「大月市立学校校歌集」を刊行した。歌詞、楽譜を記録として保存するだけでなく、校歌を通して各学校エリアの歴史、文化、産業を探る郷土研究視点も盛り込み、「ふるさと教育」にも対応する内容となっている。【小田切敏雄】
 広い山間地域に集落が広がる大月市には多いときで30以上の小中学校があった。小規模の学校が多く、平成になってから少子化が一層顕著になり、市は2006年に学校適正配置実施計画を策定。当時の小学校15校、中学校5校を対象に08年から統合を進め、現在の市立学校数は小学校5、中学校2、短期大学1となっている。
 研究会は地域のよりどころとなる学校から子どもたちの声が消え、校歌が忘れ去られるのを防ごうと14年11月から市立学校の校歌の情報収集活動を始めた。市立梁川小学校校長を務めた佐田喜長さん編集による「県公立小中学校校歌集」(03年1月発行)を参考に各学校の校歌を確認し、すでに廃校となっていた5校はさかのぼって卒業生・関係者らに聞いて採譜して収録した。閉校した学校を含む小学校18校、中学校12校、大月短期大学、同付属高校の合計32校の校歌や生徒会歌などを紹介している。
 収録過程で、校歌のほかに応援歌、運動会の歌、生徒会歌・児童会歌、記念歌やPTAの歌といった全校で歌われる校歌以外の楽曲も掲載した。作詞・作曲者も解説し、出身地である初狩町の大月第一中の校歌を作詞した元日本電気(NEC)会長の小林宏治氏の事績や、「長崎の鐘」で知られる歌手・藤山一郎から、自ら作曲した「大月学園歌」の自筆の楽譜と自身が歌った録音テープが送られ、合唱部が練習を始めたエピソードも載せられている。
 校歌の歌詞に出ている語句の解説や各学校の出来事をつづった「沿革の概要」は各学区の郷土史ともなっている。
 藤本会長(73)は「大月への愛着が深まり、郷土を見直す契機となれば」としている。表紙、裏紙の両面には校章が掲載されている。B5判、294ページ。300部発行し、市立図書館、郷土館や各学校に配布している。問い合わせは藤本会長(0554・22・3027)。

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