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2021/09/16 ,

イーレックス 国内初の水素発電所、22年3月に稼働へ

イーレックス 国内初の水素発電所、22年3月に稼働へ

新電力大手のイーレックスは16日、2022年3月に山梨県で水素発電所を稼働すると発表した。資源エネルギー庁によると、水素専焼発電所の商業運転は国内で初めて。一般家庭約100世帯分の電力に相当する出力360キロワットの発電所を建設する予定で、他地域への展開も視野に入れる。事業費は約3億円。
同日に山梨県富士吉田市で起工式を開いた。水素製造ではスタートアップのハイドロゲン・テクノロジー(東京・中央)と提携し、黒曜石やかんらん岩などの「超マフィック岩」と水を反応させて水素を製造する。1時間当たり300N立方メートル(ノルマルリューベ=標準状態での気体の体積)を生成し、水素専焼ガスエンジンで電気をつくる。発電した電気は事業所などに供給する。
水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、化石燃料の代替エネルギーとして期待を集めている。現在の水素販売価格は1N立方メートル当たり100円程度で、普及にはさらなるコスト低下がカギとなる。イーレックスは同30円で調達する計画。将来的には発電所の大型化などにより、同10~20円まで引き下げたいとしている。
起工式にはイーレックスの本名均社長のほか、施工を請け負う日揮の山田昇司社長、富士吉田市の堀内茂市長ら約30人が出席した。本名社長は「エネルギーはコストが重要だ。まずは水素の製造能力などを確認し、来年には国内2カ所に大型の実証設備を建設したい」と話した。
イーレックスは1999年設立で、2001年に電力小売りを始めた。14年に東証マザーズに上場、15年に東証1部に指定替えとなった。現在、国内5カ所でバイオマス発電所を運転している。21年3月期の連結売上高は前の期比60%増の1418億円、純利益は同39%増の62億円だった。

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