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2021/08/29 ,

地理的表示「GI山梨」に県産日本酒33銘柄

地理的表示「GI山梨」に県産日本酒33銘柄

 ブランド価値の向上や輸出促進に向けた国の制度の地理的表示(GI)「山梨」に、山梨県内の八つの蔵元の日本酒計33銘柄が認定された。今後、認定を証明する富士山をデザインしたロゴマークの表示を付けて出荷される。すでに県産ワインが地理的表示に指定されており、ワインと日本酒の二つが地理的表示に指定されているのは、山梨県が初めて。
 GI山梨は原料を国内産の米や県内の六つの水系の水を使うことなどが条件。今回認定されたのは四つの水系の蔵元。八ケ岳山麓(さんろく)水系が「谷桜酒造」「八巻酒造店」「武の井酒造」、南アルプス山麓水系は「山梨銘醸」「太冠酒造」「萬屋醸造店」、富士・御坂水系「笹一酒造」、富士北麓(ほくろく)水系「井出醸造店」。
 水の水系を限定した日本酒の地理的表示は初めて。審査をした東京国税局鑑定官室の岩槻安浩室長は「いずれも透明感があり、なめらかな口当たりの中にうまみとコクが感じられる。まさに『GI山梨』にふさわしい酒質となっていた」と講評している。
 認定を証明するロゴマークは、公募で13点の中から選ばれた。丸の中に「GI YAMANASHI」の文字と、富士河口湖町の絶景ポイントで天下茶屋からの眺望をもとに富士山が描かれている。山梨の自然を日本の伝統芸術である浮世絵のタッチと力強いモノトーンで表現し、山梨の地場産業の印鑑の丸もイメージしたデザインだ。当面ロゴマークのシールを貼るが、秋ごろからは、ラベルに印刷したものも活用する。
 GI山梨の認証で、日本酒を通した山梨の地位向上や国際的なPRへの貢献にも期待がかかる。県酒造協同組合(北原兵庫理事長)の理事で、笹一酒造の天野怜社長はこう話す。
 「日本酒に限らず国内の酒の出荷数が落ちている。その中で我々の日本酒が生きていく道は間違いなく国際化。海外に出て行くことを見据えた戦略はとても重要だと思っています」
 また、GI山梨の認定を受けた日本酒のうち、県内産の米を使った純米酒は、「原産地呼称日本酒」の認定も受ければ、「山梨の酒」マークも表示できる。県酒造協同組合によると、このような「2階建て」となる地理的表示は国内で初めてという。
 県酒造協同組合は、GIと原産地呼称日本酒の両方の認定を受けた飲み比べセットの販売を始めた。純米酒のセットは7本入り3850円、4本入り2530円で、ともに、おちょこ2個がつく。スパークリング日本酒のセットもあり、3本入り4950円。価格は税込み。
 県内の百貨店や大規模小売店、県酒造協同組合のサイトなどで販売している。問い合わせは、県酒造協同組合(055・224・4368)へ。(三ツ木勝巳)

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