<行動するシンクタンク>
私は職場への土産品選びが苦手だ。選んでいるうちに嫌気がさす。なぜなのか気になり「土産」について調べてみた。
「広辞苑第7版」(新村出編、岩波書店)によると、「土産」とは「旅先で求め帰り人に贈る、その土地の産物」と定義されている。また、実践女子大の角本伸晃教授は、観光の主な目的地・施設に直接ゆかりのある物という真正性(authenticity)が、土産品に強く求められた時代があったことを論じている。
一方、私が職場向けに選ぶのは、個数が多く、手ごろな価格の大量生産された菓子土産であり、「土地の産物」といった真正性にはほぼこだわらない。本来あるべき選び方を無意識に感じているため、これが後ろめたさを生み、結果として土産選びが嫌になるのかもしれない。