千葉県大多喜町は、食材の風味を引き立てるハーブの一種で、ハイビスカスティーの原料として知られる「ローゼル」の栽培に力を入れている。耕作放棄地の解消に役立ち、有害鳥獣の被害も受けにくい点に着目し、新たな特産品に育てる考えだ。2024年末は初のレシピコンテストを開き、さまざまな調理法をPRした。
町農林課によると、ローゼルはアオイ科フヨウ属の植物で、高さ2、3メートルに育つ。果実は9~11月に収穫し、鮮やかな赤とほのかな酸味、爽やかな香りが特徴だ。ビタミンCやクエン酸などを含み、美容や健康に良いとして女性に人気がある。古代にはクレオパトラが愛飲したという説も。
栽培は23年度に始まり、農家14軒が約1トンを収穫。ジャムとお茶向けの乾燥果実を道の駅「たけゆらの里おおたき」で販売している。今年度は農家17軒に増えた。