今春、お花見や歓迎会などを実施する企業が、長野県で3割、山梨県で2割に満たず、コロナ禍前の水準を大きく下回っていることが東京商工リサーチの調査で分かった。同長野支店は「コロナ禍で浸透した生活様式の変化が定着しているとみられる」と分析する。 同社が実施した企業向けアンケート調査によると、長野県で今春「お花見」「歓迎会・懇親会」を開催すると答えたのは27・77%。2023年5月の新型コロナウイルス感染症「5類」移行後、初の「花見シーズン」となったが、コロナ禍前の19年の58・24%を大きく下回り、23年の30%にも届かなかった。19年に48・27%が「実施」とした山梨県は、今春の「実施」が前年比2・09ポイント減の15・15%だった。
同長野支店は「5類移行で2次会需要を期待した事業者には、期待外れの春になるかもしれない」とみる。
長野市の花見の名所「城山公園」では15日、家族連れや友人同士など小グループがほとんどで、夜桜見物に向けて場所取りをするような景色もなかった。家族と花見をしていた長野市の男性会社員(34)は「コロナ前は会社の花見が毎年あったが、今年は話もなかった。家族での花見は『花より団子』にならなくていい」と桜を楽しんでいた。【鈴木英世】