2023年産ブドウによるワイン造りのシーズンが始まった。シャトー・メルシャンの勝沼ワイナリー(山梨県甲州市)は1日、作業の安全と高品質のワイン造りを祈願する仕込み式を開催。甲府市玉諸地区で栽培された白ワイン用ブドウ「甲州」約10トンを破砕機に投入し、果汁を搾り出す仕込み作業を始めた。
今年のブドウは開花期に好天に恵まれ、雨も少なく生育は順調という。この日仕込んだ甲州は生育が早く、例年より5日ほど早く収穫した。醸造したワインは「シャトー・メルシャン 玉諸甲州きいろ香 2023」として24年に発売予定という。
ワイン用ブドウは各産地で11月初旬まで順次収穫され、ワイナリーの仕込み作業は11月中下旬まで続く予定。小林弘憲ゼネラル・マネージャーは「この夏は猛暑が続いたので成熟に気を配りながら収穫のタイミングを判断し、いいビンテージ(収穫年)のワインに仕上げたい」と話した。
メルシャンは国産ブドウだけで造る日本ワインについて、23年は約660トンを仕込む計画。うち勝沼ワイナリーで550トン、桔梗ケ原ワイナリー(長野県塩尻市)で30トン、椀子ワイナリー(同上田市)で80トンを予定している。桔梗ケ原では新しい畑のブドウ収穫が始まるため、昨年より10トン多くなる見込みという。
サントリーも登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)で2日にブドウの収穫式を開催する。