果樹園で農薬を散布する自走ロボットの開発が進んでいる。高齢化が進む農家にとって負担の大きい作業を肩代わり。ドローンが上空から散布するのに比べ、葉の裏に薬液が届き、病虫害を防ぐ効果が高い。長野のベンチャー企業は1台約200万円で受注生産。中国メーカーは日本で100台以上を販売した。
イーエムアイ・ラボ(長野県富士見町)は四輪駆動の農薬散布ロボットを開発している。高さと幅、奥行きがそれぞれ約1メートルの大きさで、ノズルとファンで農薬を噴霧する。パソコンで経路を設定すると衛星利用測位システム(GPS)によって位置を確認し、人が歩く速度でゆっくりと動く。
リモコンによる操作もでき、散布中に農薬が体にかかることはない。充電式バッテリーとモーターで動き、100リットルの薬液を積めるため、約20アールの広さであれば一度に散布が可能だ。ロボットは軽トラックで運搬できる。