山梨県は13日、新型コロナウイルスの感染対策に関する県独自の認証制度「やまなしグリーン・ゾーン認証」を取得した施設を対象に、ワクチンの接種済証やPCR検査の陰性証明書などを提示した場合、認証基準の一部を緩和するための実証実験を始めると発表した。2週間ずつ2段階の実証実験を経て、早ければ12月中に基準を緩和する。
県は接種済証などを「グリーンパス」と位置づける。県内4カ所の宿泊施設で18日から2週間、パスを提示した県民による人数制限のない個室での宴会を通じ、パスの確認手法を確立し、安全性などを検証する。さらに11月中旬から2週間は県内10カ所程度に増やし、認証基準の緩和が可能かどうか検証する。緩和対象は、パーティションを外すことなどを検討しているという。
長崎幸太郎知事は「ワクチン接種率が向上すれば、コロナ前の通常の生活に戻していくことが行政の役割だ。会合の安全性を検証して開催しやすい環境づくりをしていくことが大切だ」と述べた。
10月18日から実証実験するのは常磐ホテル(甲府市)とホテル鐘山苑(山梨県富士吉田市)、石和健康ランド(同県笛吹市)、スパランドホテル内藤(同)の4施設。予約の宴会に参加する全員がグリーンパスを提示する必要がある。
グリーンパスはワクチン接種済証のほか、PCR検査の陰性証明は72時間、抗原検査の陰性証明は24時間を有効期限とする。ソニーが提供する電子お薬手帳サービス「harmo(ハルモ)」による接種証明なども対象とする。
実証実験で感染の連鎖が複数確認された場合や新たな変異ウイルスによりワクチン効果の低減が見込まれる場合、病床使用率が20%以上になった場合は現状の基準を維持するという。
一方、県は12歳以上の県民を対象に予約なしのワクチン接種を実施すると発表した。29~31日と11月5~7日の6日間で、1000人分の枠を用意する。会場は山梨県昭和町の商業施設「イオンモール甲府昭和」で、ファイザー社製を使用し、3週間後に2回目を接種する。