富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)は24日、客2人が乗った「大観覧車」のゴンドラの扉を係員が閉め忘れ、開いたまま1周するミスが同日あったと発表した。客にけがはなかった。すぐに観覧車の営業を休止した。
点検やマニュアルの再確認をする当面の間、休止を続ける。富士急ハイランドでは、ジェットコースターの乗客の負傷事案が続いており、安全管理の見直しを進めている最中だった。
同社によると、観覧車は1周約12分、最上部は地上約50メートル。午前9時55分ごろ、10代女性2人をゴンドラまで案内した係員がドアを閉めず、その場を離れた。降車担当の別のスタッフが扉が開いていることに気付いた。運行中にゴンドラからの落下物はなかった。
今回の事態を受け、高所などの理由で危険性があるアトラクション「鉄骨番長」など別の6機種も、点検を終えるまで営業休止とすることを決めた。
大観覧車を巡っては2009年にも、係員がゴンドラの鍵をかけ忘れるミスがあり、かけ忘れると警報が鳴るよう改善していた。しかしドアが開いていても警報は鳴らない設定だった。富士急ハイランドの岩田大昌社長は会見し「安全安心を提供する遊園地での出来事で、誠に重く受け止めている」と陳謝した。
ジェットコースター「ド・ドドンパ」などで乗客が負傷したとの報告が相次ぎ、富士急ハイランドは今年9月に第三者委員会を設置。今月、社員と顧客両方のミスを前提とした安全管理の仕組みづくりを求める中間報告を公表していた。〔共同〕