「この祭りがなくなる時は、集落が消える時」。平家の落人伝説が残る鬼怒川の最上流部、栃木県日光市の川俣地区(旧栗山村川俣)で2017年まで自治会長を務めた平英一さん(78)は、そう考えている。
室町時代から続くとされ、武家の様式で営まれる「元服式」。数えで二十歳の男子が、二十日正月に地区の縁遠い夫婦と親分子分の契りを結び、「成人」を祝う。
式には、子分となる新成人、親分となる後見人夫妻のほか、雄蝶(おちょう)・雌蝶(めちょう)として介添えをする小学生の男児と女児、付き人として従う中学生の男子、地域の男性たちが正装して集う。山の神への当渡し、年頭の地芝居の舞の披露も含めると1日がかりとなる。