日本で2番目に高い北岳(3193メートル)への登山口にあたる山梨県南アルプス市の広河原インフォメーションセンターで24日、南アルプス開山祭が行われ、夏山シーズンの安全とにぎわいを祈った。
開山祭には、金丸一元南アルプス市長をはじめ、地元関係者ら約100人が出席。南アルプスで亡くなった人や約120年前に北岳に登頂し、日本アルプスの名付け親の英国人ウェストンをしのび、献花した。地元の同市立芦安中と芦安小(4~6年生)の児童生徒計19人が「北岳の歌」「雪山讃歌」を合唱して、シーズン入りを告げた。
「蔓(つる)払い」のセレモニーでは、わらじにみのかさというかつての山の案内人にふんしたNPO法人「芦安ファンクラブ」のメンバーら3人が登場。山の斜面に茂ったツルに見立てたやぐらにつるされた稲わら製の縄におのをふるい、ツルを払いのけ、そのやぐらの下を参加者がくぐって開山を祝った。
南アルプス市観光推進課によると、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり、予約で満室の山小屋もあり、登山者には安全で無理のない山行を呼びかけている。【佐藤薫】